言わずもがなであるが、靴界のエルメスと言われるジョン・ロブ。
久しぶりのコテモタとしてはかなりMAXなネタであることは十分自覚している。いい加減で、流行物には弱くて、ケチである僕にとって、まさしく清水の舞台から飛び降りた訳である。
何故か?間違っても、いつもの買い物でもなければ、万引きでもない。
そう来月に僕は生まれて半世紀、つまり50歳になるからである。これまで自分の誕生日を祝って欲しい、特別な日にしたいなんて気はさらさらなかった。いやいかん。この際正確に言おう。
高校までは、突然のプレゼントなんてのを期待していた浅はか極まりない、時期もあった。僕の誕生月・11月というのは、グッドタイミングな誕生日であるというのが持論だった。一学期ならアイドリング期間として、互いにヒット&ウエイだろうし、夏休みに入ると会うには特別な理由が必要である。しかし、10月になると体育祭や文化祭で一気に男女の溝が、もしくはお互いの気持ちが接近し、そのまま最高潮として11月を迎えるという。毎年、そんな妄想を繰り広げていた。今更ながら赤面の想いであるが半世紀生きた男の戯言だと感じてもらいたい。最後にオチがあって、クリスマスには、僕から特別なプレゼントを用意するぜ!なんて返し言葉も用意するぐらいであった。実際にどうだったかどうかは直接聞いて欲しい。
しかし、しかしである。20歳代を迎え、働き出すと11月という誕生日のアドバンテージは最早存在せず、男達のサバイバルがはじまったのである。もう自分の誕生日なんていつでもいいわけである。相手の誕生日を詮索し、確実にキャッチし実際に、どう攻略するかを検討、そして結果を求める行為に没頭したからである。言わんや結婚した暁には、自分のコトよりも、妻、子供の誕生日、クリスマス、こどもの日、結婚記念日など、様々な公式行事が最優先されるからである。
読者が少ないことをいいことに、毎年の僕の誕生日の恒例はと言うと、必ずディナーは豚カツであり、付け合わせは明太子であり、ここに味噌汁である。最高級、スペシャルなメニューの完成なので、フィニッシュである。ケーキなぞ、どうでもいい。出来る限り高級な豚ロース(これはイカリスーパーである)、決めの細かな明太子(出来れば阪神百貨店が好ましい)、出汁のうまみがたっぷりな味噌汁(賛否両論あろうが、ネットで評判の味噌ですね)、あとは白米となる。食する時間は15分を超えることはまずない。プレゼントは特に必要ないのである。これで十分至福なのである。妻からは安上がりと言われ14年経つ。
で、ジョン・ロブである。最高級なのだ。かっこいいのだ。すばらしいのだ。高いのだ。いやホント。びっくりするぐらいである。知らない方は、是非大阪ヒルトン地下一階の店舗を覗くといい。
あ~。手に入れたという感慨。この次は60歳か!という戸惑い。
それぐらい価値があるのだ。岡崎君、おめでとう。